建築設備業界における BIM 活用の現状についての見識を深めるため、高砂熱学工業株式会
社のイノベーションセンターを見学しました。
同社は、2022 年に Autodesk 社と戦略的パートナーシップを結び、Revit を基盤として設備BIM の標準化を推し進めてきました。また今年 3 月には、建築設備会社 6 社と共に「設備BIM 研究連絡会」を発足し、設備業界における更なる BIM の普及・展開を目指して活動しています。(現在の設備BIM研究連絡会 会員企業は9社)
当日は、研究開発本部長の山本一郎様をはじめ、研究開発本部・DX 戦略統括部の方々に、イノベーションセンターをご案内いただき、最先端の設備機器やそれらを取り入れた執務エリアを見学しました。超小型木質バイオマス化発電と太陽光発電、蓄電池を組合せることで電気エネルギーの安定供給を図りながら、地下水熱の利用や卓越風の取り込みといったパッシブデザインも巧みに取り入れることで、環境負荷の低減と居住性の向上を同時に実現する実証実験の場となっていました。
また、施設見学後の懇親会では、設備業界における BIM の現状や今後の展望について、活
発な意見交換がなされました。シミュレーションソフトと BIM ソフトの連携といった技術
的な側面から、BIM 人材を含む組織体制の在り方といった制度的な観点まで、議題は多岐に及び、大変有意義な時間を過ごすことが出来ました。
昨今、設備業界のみならず、建築業界全体で BIM の標準化が声高に叫ばれていますが、実務レベルでのミクロな視点と、国交相の推進方針や業界内の組織体系といったマクロな視点の両面からのアプローチが必要不可欠であるように思います。今後、意匠・構造・設備の垣根を超えて、建築業界全体で BIM を推進していく中で、当社も微力ながら貢献できればと決意を新たにしました。



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